君が笑う空の下。


当時の彼は本当に酷かった。
学校も好きな時に来て、好きなときに休む。学校のルール、社会性なんて問題外。

集団行動さえも出来ないなんて。真面目に生きてきた私にとって、見ているだけで苛々したし、嫌いだとも思った。

やたらと目につく赤い髪も目障りだったし。


でも。そんな彼を嫌だと思いながらも、目で追ってしまう自分がいるのも事実だった。


周りの目なんか気にしない、いつも好きな事を追いかける高根くんが、羨ましくて、憧れて……


自由な彼に、私は恋をした。


自分には真似出来ない。もしかしたら、私もあんな風に自由になりたかったのかもしれない。


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