君が笑う空の下。
こんなところで、しかも修学旅行という特別な行事の日に、男子と二人でいるのは結構緊張する。
高根くんをまだ好きなのは本当。でも、岩瀬を意識してしまうのも事実。
その後、二人で何をする理由でもなく、ただ雨降る外を眺めていた。
こんな無口の岩瀬はめずらしくて。
どうしたのだろうと疑問を抱き、岩瀬に視線を落とすと。
岩瀬は真っ直ぐ真剣に窓の外を眺めていた。
何を考えているのだろうか。
岩瀬はちょっと嫌味なくらいが丁度いいのにな。
また窓の空に目を向けると、いつの間にか雨がにわか雨程度になっていた。
「あっ、見ろよ」
今まで、黙っていた岩瀬が空を指さて声を出して。空を見上げると、青空に虹が広がっていた。