君が笑う空の下。



涙が頬を伝う瞬間。

誰も残っていないだろうと思っていた教室のドアが、ガラリと音をたてて。

驚いて後ろを振り向くと、同じクラスの男子が立っていて視線が合った。



しまった……。


同じ委員だから、教室に戻ってきたんだ。


そんな事を思い出すけど、すでに遅くて。
慌てて涙ぐんでた瞳をこすったけど



「平気?」


そいつは声をかけてきた。



「大丈夫だから」


泣いている顔を見られたくなくて、私は下を向いたのに。


「何で、メソメソしてんの?」


そいつはニヤニヤしながら話を続け、



「あれ、高根と沙奈ちゃんじゃん」


窓の外の二人に視線を向け、目を見開いた。



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