君が笑う空の下。
「以上。高根と俺の出会いでした。あ、これ……色んな意味でお詫びな」
「……」
「さー。終わった、終わった。お疲れ。今までありがとな」
岩瀬はガタッと席を立ち、私の頭にポンと手をのせた。
そして笑った。
今までとは違う。意地悪な感じじゃなく、穏やかな笑顔で。
優しい目を細め、口元を緩め、私を見つめる視線を。何故かそらす事が出来なくて。
岩瀬はこんなに優しい表情をしていただろうか。
それとも私が勝手に岩瀬を嫌味な奴と思い込んでいただけなのか。
それは今となってはもう分からないけど――。
その時。
教室のドアが、勢いよく開かれた。