君が笑う空の下。
季節は巡り。
そして夏が来た。
「海行こうぜ」
「いーねー」
「いつにする?」
もうすぐ中学最後の夏休み。
教室の中は、皆で遊びに行く計画の話で持ちきりで。クラスの皆は楽しそうに雑談している。
あれ以来。高根くんとはもちろん、岩瀬 智樹とも時々挨拶をする程度で全くといっていい程会話をしていない。
用なんて無いし、グループ違う。それに、何の接点もないから当たり前なんだけど。
高根くんや岩瀬のグループは、何人かで海に行くという話を噂で知った。
"海"という単語を聞くと、あの時の岩瀬の話が頭によぎる。
そして、あらためて実感した。
違う世界なんだと。
私と岩瀬の接点は何もない。
嫌でも思い知らされた。