君が笑う空の下。


クラスの皆をまとめてくれた。
力仕事もしてくれたし、頼りになった。
軽そうだけど、頭に触れた手は優しいものだった。



それに、あのキス――




駄目だ駄目だ駄目だ。
勉強が全く手につかない。


やっぱり家に帰って勉強をしよう。


急いで参考書や教科書をまとめて、鞄に詰めようとしたのに。


「あっ」

鞄がテーブルの上から落ちてしまって。

参考書に教科書、ノート、筆箱が無惨にも床に散らばる。


なんでこんな時に……。


自分でも情けなくなって、慌てて拾いはじめた、その時。



「平気?」


心臓が止まるかと思った。


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