君が笑う空の下。
「どこ、受けたの?」
なんて、口元を緩ませて話す岩瀬が優しく見えて、涙が溢れそうになった。
「……な、にが?」
やっと絞り出した私の声が緊張で震える。
「高校」
「……北高。岩瀬くんは?」
久し振りの岩瀬との会話なのに、私の声が弾む事はなくて。
「俺、城南」
違う高校なのは分かってたけれど、反対方向の学校という事実をはじめて知らされた。
「お互い受かってるといいな」
「うん」
「もうすぐ先生くるぞ」
岩瀬くんは手を上げて、後ろを振り返って歩き出して。
その後ろ姿を見た瞬間。
あ、終わっちゃった……。
そう思った。