君が笑う空の下。


初めて話したのは放課後の教室だった。
私が泣いているのをからかって。でも高根くんを好きな事を誰かに言いふらす事はしなくて。誰にも言わずにいてくれた。

そして、高根くんについて同じ事を感じていたね。
私ね、嬉しかったんだよ。



笑った方かいいよ と、岩瀬が言った。

岩瀬が撫でてくれた髪は、思い出すと胸があつくなる。



修学旅行では今じゃ夢かと思うくらい、でも鮮明に覚えている。


岩瀬の唇が軽く触れたのを。

岩瀬と見たあの虹。



空の色を……。



きっと一人じゃあんなにも綺麗じゃなかったと思う。



その理由なんて、本当はずっと前から気付いてた。





私、岩瀬の事好きなんだ――。


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