幼なじみの憂鬱

「それってやっぱり、そういうことかなあ?」

「え?」

「彼女は、本田のことが、好きなのかな」


朝陽の学校には行ったことないけど、サッカー部の部室から、テニスコートの本田君を見つめる彼女の背中を切なげに見つめる朝陽の姿が、一瞬で私の脳裏に描かれた。

胸の苦しさに耐えられず、潤み始める瞳。

噛み締める唇。

そんなところまでリアルに想像できて、私の胸までちくりと痛む感じがした。


__もしかして、朝陽は……


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