幼なじみの憂鬱
幼なじみの憂鬱6.マドンナ
夜の空気の冷たさが増してきたのを理由に、私は玄関先に出なくなった。
もちろん、朝陽と顔を合わせるのが気まずいからだけなんだけど。
そんなこと説明しなくても、だいたいの人が予想できるだろう。
朝登校する時間もいつもは合わせるようにしていたけど、朝陽よりも早めに家を出るようにした。
こういう時、学校が別でよかったと思う。
朝陽と顔を合わせない日々。
それなのに、頭の中はいつも朝陽のことでいっぱいになる。
__それでも彼女が、好きなんだから。
思いっきり突き付けられて十分理解したはずなのに、私はいつまでも、朝陽から私に向けられる矢印の名前を探している。
そして、私から朝陽に向ける矢印の名前を、知りたいと思っている。