ヨルガオ-午前0時の逃避行-
背を向けたまま返事をする由良くん。
不意に振り返って、見せたのは優しい表情。
「乗りかかった船……つーか、拾った犬は最後まで面倒見るよ」
「……それって、プロポーズ?」
「アホか。お前、マジで思考ぶっ飛んでんな」
冗談でもなんでもない。
そう聞こえてしまうほど、由良くんの言葉には魔法がかかっていた。
暗闇の中、微かな風を感じる方へ歩いていく。
そんな私たちの同居生活が始まる。