ヨルガオ－午前０時の逃避行－

『そうなの？よかったじゃーん！……と言いたいところだけど。由良くんに代わって』


由良くんのお家に泊まらせてもらうことになった、という旨を電話で澄ちゃんに伝えると、意外にも冷静な反応が返ってきた。


不思議に思いつつもスマホを由良くんに渡す。


由良くんは、俺？と困惑の表情を見せながらもそれを耳に当てた。


『光莉をよろしくお願いします』

「うん」


聞こえるのは由良くんの声だけ。

２人が何を話しているのかわからない。


『それと……くれぐれも手は出さないでくださいね』

「わかってる」

『本当に頼みましたよ？』

「……出せるもんなら出してるっつーの」

『何か言いました？』

「いやなんでもない。光莉に戻すぞ」