ヨルガオ-午前0時の逃避行-
ああ、そっか……。
私が遠慮していたことを、由良くんは気づいていたんだ。
だから、困っていた。
いっぱい迷惑をかけてしまったから、これからはあまり迷惑をかけないように……と思って気を使った。
それが却って、由良くんに気を使わせてしまっていたのかもしれない。
「うん、わかった」
「はい、じゃあ何かわがままを1つ言ってください」
「いま?」
こくり頷いた。
「うーん、じゃあ……一緒に寝よ!」
「……それはダメ」
「どうして?いつもベッドを譲ってくれるじゃん。だからたまには」
「お前の友達との約束なんだよ」
由良くんは頭を抱えた。
それほど嫌らしい。
友達って澄ちゃんのこと?
一体、どんな約束をしたの……。