ヨルガオ-午前0時の逃避行-
でも、澄ちゃんとの約束なら仕方ないか。
他に何か……。
「それじゃあ、一緒にお風呂に入ろっか」
「いいよ、入る?」
不敵な笑みを浮かべる由良くん。
「冗談です、ごめんなさい」
「素直でよろしい」
冗談を言ったつもりが、逆にからかわれてしまった。
最初からこう言えばよかったんだよね。
「一緒に夜ご飯食べたい」
そう言うと、由良くんは満足そうに微笑をこぼした。
誰もいない家に帰るのは寂しい。
でも、孤独が怖いと感じない。
待てば帰ってきてくれる人がいる。
待つ時間さえも楽しいと思わせてくれる人がいる。
由良くんが私を孤独からすくい上げてくれるから。