ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「それより、これからどうする?」
あっさり話を変えた由良くんに、ここは素直に甘えることにした。
「うーん、適当にお店を回るのは?雑貨屋さんとか」
「わかった」
「一度ね、由良くんの部屋をガーリーテイストにしてみたいんだ。それはもうピンクの……むぐっ」
言い終わる前に、由良くんの片手が私の頬を挟んだ。
唇がタコみたいに突き出る。
「本気で言ってんの?」
「……冗談れす」
「お前の冗談、わりとわかりにくいんだよ」
そう言いながら由良くんは手を離した。
頬に少しだけ熱が残る。
「ガーリーは冗談だけど、でも、お部屋に飾れそうな雑貨がほしいなとは思ってた」
「いらねぇよ」