ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「雑貨じゃなくてもいいんだけど。私が来たよ、っていう証を部屋に残したい」
「理由が重いわ」
「やっぱりダメか」
がっくり首を垂れる。
けど、見た目ほど落ち込んでいない。
理論が“指輪”と同じで、ちょっといやらしいなとは自分でも思ったから。
「見るだけならいいけど」
「本当⁉じゃあ行こう!」
由良くんはやっぱり、なんだかんだ優しい。
興味がなくてもいらないって言っても、完全に否定するのではなく、私のお願いを尊重しようと付き合ってくれる。
思う。
由良くんって実は、面倒見が良いのではないかって。