ヨルガオ-午前0時の逃避行-
当然、好奇心という名の興味がふつふつと湧いてくるわけで。
「行きたい!」
私がそう言えば、由良くんは迷いながらも
「今の時間なら大丈夫か……」と呟いて、案内してくれた。
大通りから何本か小道を抜けて、人通りが穏やかになった場所。
階段を下りた地下にそれはあった。
CLOSEの札がかかったガラスのドアを引いて中に入る。
オレンジ色のライトが少し夜の雰囲気を感じさせるけど、時刻は5時過ぎ。
それを除けば、クラシックの音楽が似合う落ち着きのあるイタリアンレストランだ。
レジ付近で、黒色の制服を着た男女が何かを話し合っている。
1人は髭を生やした渋い男性。
年齢は、40……いってないくらいだろうか。
強面を丸顔で和らいでいる印象。