ヨルガオ-午前0時の逃避行-
もう1人は、若い女性。
170cmあるんじゃないかと思うほどのモデル体型。
どことなく勝気な印象を受ける。
2人の視線がこちらを向いた。
そして。
「由良!」
「あれ、今日シフト入ってたっけ?」
女性がパァッと表情を明るくし、男性の方は口元を緩めながらも目を開いた。
女性の態度はとってもわかりやすく……。
由良くんに会えたことへの喜びが全面に出ている。
「いや、近くに来たから寄っただけ」
「由良が?」
とここで、ようやく2人が私に気づいた。
由良くんの一歩後ろにいた私は、小さく会釈する。
「その子は?……あ、もしかして」
「妹でしょ!」
「いやいや、そりゃないだろ。どう考えたって彼女だよ、な?」
食い気味に『妹でしょ』と言った女性。
そうであってほしい、と懇願するような言い方だった。