ヨルガオ-午前0時の逃避行-
私の知らない間に付き合っていたのかな、なんてとんでもない思考に陥りそうなほど理由に検討がつかない。
「本当に付き合ってんの?」
「いい加減諦めなって」
気づくと、女性が疑うような目で私を見ていた。
男性がなだめるも、彼女はその口を閉じようとしない。
「だって、そう見えないっていうか……デートなのに、なんか、センスないっていうか」
じろりと私の全身をチェックする。
痛いところを突くなぁ……。
つまり、デートファッションじゃないって言いたいんだよね。
そして、言い返せないのもまた事実。
デート仕様じゃないのは確かだし、オシャレしようにも今の私にはたかが知れているし……。
「俺が好きなんだから別にいいだろ」
「……っ!」
援護の言葉は、すぐに届いた。
それも、とても由良くんが言ったとは思えない言葉。