ヨルガオ-午前0時の逃避行-
好きって……。
嘘だとわかっていても、嬉しい。
「それに、うちにある服って言ったら、あとは制服か部屋着くらいしかないんだし」
「うち……?」
「もしかして、同棲してんの?」
由良くんが頷いた。
制服と部屋着の他にも家から持ってきているけど……。
それよりも、さっきから驚きの連続。
まさか一緒に住んでいるのを示唆するとは思わなかった。
由良くんのことだから、内緒にしたいのかと思っていた。
……庇ってくれたのかな?
同棲──その言葉が、彼女の表情を一層険しくさせたのは言うまでもない。
しかし、それ以上何かを言ってくることはなかった。
愕然たる面持ちの彼女を気遣うほど私はお人よしではない。
けど、今までの態度で由良くんに気があるのがわかったから、言われた嫌味は助言だと思って受け流すことにした。