ヨルガオ-午前0時の逃避行-

今日1日で実感したことがある。


由良くんはとてもモテる。

それはもう、そんじょそこらの人気者とは比べものにならないほど。


街中を歩いているときもお店に入っているときも、感じる視線。


点を置くようなちらちらした視線から、粘りつくようなじっとりした視線まで様々だったけれど、そのどれもが“興味”や“好奇”を含んでいた。

中には、一目惚れに近しい感情もあったかもしれない。


由良くんがかっこいいのはわかりきっていた。


今までは2人の世界だったけど、今日、ようやく外の世界に出て……。

自分の感性が間違っていなかったという証明になった。



「由良くんは、彼女を作らないの?」


駅前の駐輪場へ向かう途中、私は、当然の疑問を口にした。

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