ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「澄ちゃんの友達の光莉です。よろしくお願いします」
ぺこり頭を下げれば、柊哉くんも合わせてお辞儀をしてくれた。
「それで……柊哉。由良くんとはどういう関係なの?」
「あー、うん……」
柊哉くんは言い辛そうに首の裏を触る。
コロコロ感情が変わる人だということだけは、この短時間でわかった。
私は柊哉くんをじっと見ながら、澄ちゃんはアイスティーを飲みながら続きを待った。
観念した、というよりは、探していた言葉を見つけた、という感じ。
柊哉くんがゆっくり口を開く。
「由良さんは、俺の憧れの人」
「……」
「俺が暴走族だってのは、光莉ちゃんも知ってるんだよね?」
頷く。
「暴走族って言ってもチームを組んでいるわけじゃなくて、昔の仲間で集まって走ってるって感じなんだけど……半年前までは、あるチームに入っていたんだ。そのときの総長が、由良さん」
「……え?」