ヨルガオ-午前0時の逃避行-

総長……?

って、リーダーとかボス、みたいな人のこと?


……由良くんが?


暴走族に総長……聞きなれない言葉の羅列に思考が停止しかける。


それでも柊哉くんが話を続けるから、無理やり頭に叩き込む。


「だけど、あることがキッカケでチームは解散、由良さんは姿を消した」

「……」

「俺は由良さんをずっと探してて……。そんなとき、澄花から光莉ちゃんと由良さんの話を聞いて、やっと会えると思って事情を説明せずに呼んでもらったんだ」


「そうだったの……。なんで由良くんに会いたいのか不思議だったけど、そういう理由があったのね」

「ごめんな、澄花」

「ううん。あたしはいいけど……」


と視線を移す澄ちゃんの瞳に、私はどう映っているのだろう。


心配そうに見つめる澄ちゃんの表情から察するに、きっと険しい顔をしているに違いない。

< 146 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop