ヨルガオ-午前0時の逃避行-
総長……?
って、リーダーとかボス、みたいな人のこと?
……由良くんが?
暴走族に総長……聞きなれない言葉の羅列に思考が停止しかける。
それでも柊哉くんが話を続けるから、無理やり頭に叩き込む。
「だけど、あることがキッカケでチームは解散、由良さんは姿を消した」
「……」
「俺は由良さんをずっと探してて……。そんなとき、澄花から光莉ちゃんと由良さんの話を聞いて、やっと会えると思って事情を説明せずに呼んでもらったんだ」
「そうだったの……。なんで由良くんに会いたいのか不思議だったけど、そういう理由があったのね」
「ごめんな、澄花」
「ううん。あたしはいいけど……」
と視線を移す澄ちゃんの瞳に、私はどう映っているのだろう。
心配そうに見つめる澄ちゃんの表情から察するに、きっと険しい顔をしているに違いない。