ヨルガオ-午前0時の逃避行-
1時間ほど居座って、カフェを出た。
「光莉はこれからどうするの?」
「帰ろうかな。由良くんが気になるし……」
帰ると言って出ていった由良くんへ送ったメッセージに返信はない。
本当に家に帰ったのか定かではないけれど、あれほど動揺した由良くんを放ってこのまま2人と遊ぶ気にはなれない。
「光莉ちゃんって由良さんの家で暮らしてるんだよね?……由良さんは今」
柊哉くんは言い淀んで。
「……いやなんでもない。由良さん、元気にしてる?」
「うん」
「そっか、よかった」
『由良さんは姿を消した』と柊哉くんは言った。
つまり、由良くんの行き先を知らないわけで。
彼はそれを聞きたかったのだろう。
だけど、私から言えることは何もない。
と彼自身も察したみたいだった。
2人と別れて、私は駅に向かって歩き出した。