ヨルガオ-午前0時の逃避行-

たとえば、黒塗りの高級車と黒服の男。

それか、パトカーと警察官。


その組み合わせを見て、後ろめたいことをしていないのになんとなく黙ってしまうような……今まさにそんな状態。



なるべく目を合わさないように。

私たちは無関係ですよー、と心の中で意味もなく呟きながら通ろうとして……しかし。


「おい」


男の1人が吸っていたたばこを地面に落とし、足で火を消す。

直後、男たちが目の前に立ちはだかった。


辺りに残るたばこの臭いに咽そうになって顔を歪めた私に落ちてきたのは──


「由良どこにいる」


怒りを含んだ声だった。


私が由良くんの知り合いであることを前提に話を進める彼らに、私の緊張は恐怖へ変わり、警戒心がぐっと高まった。


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