ヨルガオ-午前0時の逃避行-

「な、なんのことですか……」

「お前が由良の女だってことはわかってんだよ」


男がスマホの画面を見せてきた。


映っていたのは、私と由良くんの写真。

それも、先週のお出かけのときのもの。


私も由良くんもカメラから目線が外れていて、隠し撮りなのが一目瞭然だった。


どうしてこんな写真が……。


この男たちが撮ったのか、はたまた一般人が撮ったものを見つけたのか。

わからない。


でも、恐怖にまみれる思考で唯一理解できるのは、この写真を手がかりに男たちが由良くんを探しているということ。


「いいからさっさと由良の居場所を教えろ」

「光莉、行こう」


すかさず澄ちゃんに手を取られて引っ張られる。



『なるべく大人数で帰ること』

『知らない人に声をかけられても受け答えせず逃げなさい』


前に学校付近で不審者の目撃情報が出たとき、先生がそう言っていた。

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