ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「よかった、間に合った」
「加勢します!」
……は?
なんでお前らがここに……。
「アイジ、逃げよう」
「……っ。今さら、あとに引けるかよ……!」
プライドだけはあるらしい。
アイジが俺目がけて鈍器を振り下ろす。
俺はそれをかわし、奴の腹に拳を突き立てた。
「ぐはっ……」
その場に倒れ込んだアイジは動かなくなった。
残り2人は武器を捨て、バイクに乗って逃げていった。
「由良さん!大丈夫っすか?」
「なんで、お前ら……」
「柊哉の彼女に聞いて来ました」
変わらない顔ぶれ。
俺が勝手に解散させた、空中楼閣の仲間たち。
半年前、俺はこいつらから──逃げた。
◇Side End