ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「座って」
家に帰って、まずは由良くんをベッドに座らせる。
確か、クローゼットのタンスに入れたはず……。
あった!救急箱。
前に軽いやけどをしたとき、由良くんの家に救急箱がなくて困ったことがあったんだよね。
よかった、家から持ってきていて。
救急箱を持って、由良くんの隣に腰を下ろす。
「俺より光莉が先だ」
「え……?」
由良くんの手が私の頬に触れる。
そこは私がアイジに叩かれたところ。
「赤くなってる」
「……っ。大丈夫だよ、もう痛くない。由良くんが先!」
こんなときでも由良くんは私を心配してくれる。
その優しさに救われてきたと同時に、甘えてきた。
服を脱いでもらい、汚れた服は洗面器へ。
あとで手洗い。
露わになった肉体美は、由良くんの半生を物語っているようだった。