ヨルガオ-午前0時の逃避行-

「はぁ?」

「異論ないよな?」

「「ないっす!」」


誰1人として異論を唱える者はいなかった。

……俺は異論ありまくりだわ。


「何言ってんの?どう考えたって杏樹だろ」


「総長だぞ?俺がなったら他のチームに舐められるわ。総長は、強くてかっこよくて、従わせるんじゃなく勝手についてこさせる、信念のある奴がいい。由良しかいないだろ?」


だろ、と言われても。


「俺、由良さんがいいと思います」

「由良さんの信念がチームの信念になってるし」

「そうそう。好き勝手、な」


みんなが口々に言う。


俺、そんな信念を抱えていたっけか?


まあいい。

それこそ、“好き勝手”させてもらえるならなんだっていいさ。



結局、役職があったって変わらない。


チーム〈空中楼閣〉は、好き勝手に名前を轟かせていった。



< 189 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop