ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「はぁ?」
「異論ないよな?」
「「ないっす!」」
誰1人として異論を唱える者はいなかった。
……俺は異論ありまくりだわ。
「何言ってんの?どう考えたって杏樹だろ」
「総長だぞ?俺がなったら他のチームに舐められるわ。総長は、強くてかっこよくて、従わせるんじゃなく勝手についてこさせる、信念のある奴がいい。由良しかいないだろ?」
だろ、と言われても。
「俺、由良さんがいいと思います」
「由良さんの信念がチームの信念になってるし」
「そうそう。好き勝手、な」
みんなが口々に言う。
俺、そんな信念を抱えていたっけか?
まあいい。
それこそ、“好き勝手”させてもらえるならなんだっていいさ。
結局、役職があったって変わらない。
チーム〈空中楼閣〉は、好き勝手に名前を轟かせていった。