ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「昨日も援交で女子高生が補導されたんだって」
ある日、ファーストフード店でポテトをつまみながら杏樹が言った。
最近、この辺りで援助交際が横行していると噂で聞いた。
そのせいで、未成年への警察の目が厳しくなっているのだとか。
俺は、アイスティーを啜りながら適当に相槌を打つ。
「へぇ」
「どうやらそれに、どっかの暴走族が一枚噛んでるらしくてさ」
「……」
「うちも目つけられてるっぽい」
そのときは頭の片隅に留めておく程度で済ました。
だけど、それからしばらくして。
「澪!どうした⁉」
同い年の澪を含めた4人の仲間が、傷だらけの姿で溜まり場に帰ってきた。