ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「解散するってどういうことですか⁉」
「杏樹がいなくなった今、もう必要ねぇだろ」
「そんなこと……!」
「あいつが勝手に作ったんだ。俺は引っ張っていく気はない」
俺は、一方的に空中楼閣の解散を告げた。
反論する者、黙って聞く者。
反応は十人十色だったけど、出ていく俺を引き止める者はいなかった。
杏樹が勝手に連れてきた仲間たち。
俺にはもう必要ない。
杏樹が作り上げた世界は、俺には残酷すぎる。
◇Side End