ヨルガオ-午前0時の逃避行-

あったのは、切なさ。

残ったのは、虚しさ。


「嫌じゃないよ。言ったでしょ、由良くんになら何されてもいいって」

「……ちっ」


由良くんは小さく舌打ちをした。

思惑が外れたのか、その顔が酷く歪む。


「お前、もう俺に関わるな」

「やだ」

「じゃあ俺が消える」





「……由良くんっ!」


ベッドから下りた由良くんが部屋を出ていこうとする。


すかさず制止の声を上げるも。

私が追いかけようとするより早く、由良くんは出ていった。


ブオーン────


遠ざかっていくバイク音を、部屋を飛び出した私はただ立ち尽くして聞くことしかできなかった。



どうして……。

消えるなんて言うの……。

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