ヨルガオ－午前０時の逃避行－

「ねぇ君たち。さっきからずっとそこにいるよね」

「暇なら俺らと遊ばない？」


２人の男が決まり文句で近づいてきた。


ロンTにジーパンというシンプルなコーデながらも清潔感を漂わせる茶髪の男と、黒髪に合わせたモノトーンのセットアップスタイルがオシャレ上級者を醸し出す男。


自分の見せ方をよくわかっている大学生くらいの男たちだけど、１つ残念なのは、私たちが高校生だとわかって声をかけていること。


だって、制服を着ているからね。


「は？こっちは男待ってんの。ナンパなら余所へ行って」


足を組み、睨みを利かす澄ちゃん。

柊哉くんの影響を受けてか、だんだん頼もしくなっている。



こういう人たちに限って、一端のプライドを持っているもので。


「すげぇ性格悪いね」

「どうせろくな男じゃないだろ」


声のトーンを僅かに落とした。