ヨルガオ-午前0時の逃避行-
私はお菓子コーナーへ移動。
眺めるのは、スナック菓子やチョコ系のお菓子……ではなく。
おまけつきのお菓子。
チョコエッグとかアニメとのコラボ商品とか。
スーパーで売ってるおもちゃつきのお菓子とかもそうだけどさ、こういうのって高校生になってもわくわくする。
まだ子供心が残っているのかな。
気づけば、当初の目的が頭からすっかり抜け落ちて。
買うつもりはなかったけどどうせなら、と物欲心が働き始めた。
そんなときだった。
「少しは懲りろよ」
呆れる声がした。
パッと横を見ると、当初の目的──
会いたいと思っていたその人が、
フードを被り、眉をひそめて立っていた。
「由良くん……!」
「何してんの?」
由良くんに会いたくて、とは言えず。
「お、お菓子を買いに!」
「ガキか」