ヨルガオ-午前0時の逃避行-
……由良くんだ。
目の前に由良くんがいる……!
夢じゃないよね?
すごい、また会えた!
会えたら奇跡と思っていたから……
まさか本当に会えるとは思わなかった。
ちょっと感動。これって運命?
勝手に緩んだ頬が。
「ったく。昨日、男に絡まれたばかりなんだから、少しは気をつけろ」
ピキンと固まる。
そうだよね……。
由良くんにしてみれば、なんでいるの?って感じだよね。
危機感のない女って思っているのかも。
「……ごめんなさい」
「また居場所がねぇの?」
「ううん。毎日連れてくるわけじゃないから……。今日は誰もいない」
俯きがちに私が答えると、由良くんは深いため息を吐いた。
なら家にいろよ。
そう言われているみたいだった。