ヨルガオ-午前0時の逃避行-
最後の約束
薄萌葱色のカーテンの隙間から差し込む日差し。
パッと目が覚めて、身体を起こすのと同時に鳴ったアラームを止めて、ぐっと背伸びをする。
時刻は8時きっかり。
約束の時間まであと2時間あるから、ゆっくり準備ができそう。
『明日、時間ある?』
昨日、家まで送ってくれた由良くんが、別れ際そう訊いてきた。
『うん、あるよ』
『ちょっと付き合って』
『どこに?』
『明日話す』
10時に迎えにくると言って、由良くんは帰っていった。
由良くんと出かけられるならどこだっていい。
でも、バイクに乗るみたいだから、あまり綺麗めの恰好はしない方がいいよね。
前に出かけたときはオシャレできなかったから、今日はできる限りのオシャレをしたいな。
まだ2時間もある。
早く会いたいけど、会うまでの時間もわくわく。
学校に行く準備は辛いのに、由良くんに会う準備なら楽しい。
結局、気持ち次第なのかな。