ヨルガオ-午前0時の逃避行-
杏樹さんは由良くんの大切な人。
一度でいいからお会いしたかった。
由良くんだけじゃなくて柊哉くんや澪さんからも話を聞いて、みんなに愛されていたのだと知った。
目を見て言葉を交わすことはもうできないけれど……。
でも、杏樹さんの思い出や残した想いはみんなの中に残っているから。
それらと一緒に私も生きていきたいと思う。
最後に感謝を伝えて、目を開ける。
同じタイミングで顔を上げた由良くんは、心なしかすっきりしたような表情をしていた。