ヨルガオ-午前0時の逃避行-
塗りたくった青色の空に浮かぶ雲がのんびり動いているのを見上げながら、話題を逸らす言葉を探す。
「……」
「……」
由良くんといても気にならない沈黙が、今はどうしてか無性に壊したい。ドキドキする。
……ううん。本来、これが普通なんだ。
由良くんの落ち着いた空気にあてがわれただけで、意識すれば隣にいるのは好きな人。
例えるなら、適温だと思っていたその場所が、実は熱を持ったサウナだったみたいな。
意識を生み出す余地があればあるほど、熱は増す。
由良くんと海を眺めていた日々よりも確実に関係が変わっているんだ。
それなら……。
訊いてもいいのかな、最後の約束とやらを。