ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「本気で言ってる?」
「うん」
「本当に?」
「……まあ、ちゃんと言わないとわかんねぇよな」
由良くんは、改まるように身体を私に向けた。
海を見つめる横顔も。
バイクに乗って見る後ろ姿も。
由良くんの全部が好きだけど、やっぱり正面から見る由良くんの顔が1番好き。
だって、その綺麗な瞳が私を映してくれるから。
「光莉、好きだ」
まっすぐな瞳に乗って届いたのは、ずっと欲しかった言葉。
私は由良くんが好き。
そう伝えても、由良くんは私といて楽しいと言ってくれる。私が傍にいてもいいと言ってくれる。
それ以上、望むことなんてあるだろうか?
一緒にいられるなら他に何もいらない。
でもね。本音を言うなら、欲張っていいなら……やっぱり由良くんにも好きになってもらいたい。
同じ想いで隣に立っていたい。
ずっと欲しかった。