ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「本当……?冗談じゃない……?」
「冗談で言わねぇよ、こんなこと」
「あとで、やっぱなしって言ってもおそ……っ!」
それは突然だった。
由良くんを疑っているわけじゃないけど、簡単には信じられなくて。
確認する言葉ばかり出ていた口を塞がれた。
いきなりの口づけに、目を閉じることも忘れて唖然とする私。
ゆっくり唇を離す由良くんの表情にちょっとだけ怒りが見えて、ハッとなる。
何か怒らせるようなことを……?
「好きだっつってんだろ。なんで信じねぇの?」
「だって、由良くん……今までそんな素振り見せなかったから」
「ふざけんな。俺がどれだけ我慢したと思って……」
「……我慢?」
近くで視線が触れる。
由良くんは呆れたようにため息をひとつ。
私の腰に手を回して捕まえて。
囁く。
「もう我慢しない」