ヨルガオ-午前0時の逃避行-
夜の町を走り抜け、信号のない国道に合流する。
ヘッドライトと、一定の間隔で並ぶ街路灯が道を照らす。
トンネルを抜けたら海が広がって。
潮の匂いがまじった風に変わる。
昨日よりも綺麗な月夜のおかげで、ちゃんとそれが海だってわかる。
ちょっぴり幻想的。
海沿いの道の途中でバイクが止まった。
昨日とは違う景色。
それでも目の前に広がるのは月の光を水面に映し出す海。
波音が聞こえるけど、今日はさざ波らしい。
リラックス効果の高い音に癒される。
塀に上って座り、足を海側に投げ出す。
由良くんは隣であぐらをかいている。
月夜に照らされて絵になる横顔。
私に絵心があったら、眼前に広がる景色を絵に残したい。
……残念ながら美術が3の私は、絵をらくがきにしてしまう自信しかないけど。