ヨルガオ-午前0時の逃避行-
まさか、女……⁉
刹那的に頭を過るのは、短絡かつ浅薄な思考。
だとしてもあり得ない話ではない。
彼女かどうかはさておき、女の影が1つや2つあってもおかしくない。
それこそ、数多の女性たちから絶えず連絡が来るような、そんな世界戦線で生きていそう。
飛躍する私の推測は、しかし。
「バイトのシフト出すのを忘れてたから」
いとも簡単に切り捨てられた。
バイトの、シフト……?
いや……うん、シフトの提出は大切だよね。
出さないと不足している日に勝手に入れられたりするから。
そうだよ、そうなんだけど……。
そんな理由であっさり持ってくるのかと呆気に取られる。
私はまだ、由良くんという人を掴みきれていないらしい。
でも、よかった。
友達や彼女と連絡を取っていたわけじゃなくて。