ヨルガオ-午前0時の逃避行-
由良くんがどんな人と関わっていようと、今、この時間は2人だけの時間。
勝手にそう思っていた。
誰にも邪魔されたくない、と自分勝手な独占欲が滲む。
スマホのライトが消えて、再び深い夜に包まれた。
「……」
「……」
コンクリートの段差に、やっぱり少し距離を取って座る私たち。
今、由良くんが何を考えているのか。
気になるけど訊きはしない。
そうして、流れゆく時間に身をゆだねる。
時間は止まることなく続くけれど、私たちの時間はいつか終わりがくる。
有限な時間を、果たして無駄にしてはいないだろうか。
振り返ったとき、この時間をもっと有効活用していればよかったと後悔する日がこないだろうか。
──そう第三者に問われたならば、私は、ただ時間に流されているわけではないことを主張したい。