ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「16歳です……」
「高校生?」
「はい……」
「だったら1人で出歩いてんなよ。今は俺がいたからよかったけど」
呆れたように彼が息をつく。
「ごめんなさい……」
としか言いようがなかった。
危険を承知の上で家を出て、なんとか明るい場所を探して見つけたのがコンビニだった。
最初はコンビニの中にいたの。
でも、だんだん店員さんの目を気にするようになっちゃって(実際に万引きの疑いを向けられていたと思う)。
いたたまれなくなって出て。
何かあってもすぐ逃げ込めるように、と駐車場で時間を潰していた。
……私が甘かった。
服をぎゅっと握る。
それでも私は帰れない。
だって家には今、お母さんの彼氏が来ているから。