ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「……由良くん」
「あのなぁ」
呆れる由良くんに、私は言葉を挟む。
「一緒に寝よ」
まるで親に縋る子どものように……私は由良くんに縋った。
手を繋いでくれて嬉しい。
でもそれでも足りないの。
「……は?」
「お願い」
「お前……俺をなんだと思ってんの?」
「神様」
「またそれかよ」
由良くんが、深い深い──すべての鬱憤を晴らすような、深いため息を吐き出した。
身体を起こした由良くんが視界に映る。
「由良くん……?」
「あのさ、俺、男なんだよ。少しは警戒しろよ」
その表情に困惑を滲ませている。
……わかってるよ。由良くんが男だって。
「……由良くんになら、何されてもいいよ?」
私がそう言うと、由良くんは目を見開いた。
こんなに驚く彼を見るのは初めてかもしれない。
「どうなっても知らねぇからな」