ヨルガオ-午前0時の逃避行-
じんわり汗ばむような感じがまとわりつく。
まるで良心の呵責に苛まれるかのよう。
「……違くない」
気づけば、前言を撤回していた。
「由良くんのことは、好き、だと思う」
光莉という人間を自己分析したことがある。
あまり人に甘えるような人間ではないけれど、その代わり、好きになった人にはとことん甘えるタイプである。
という結果に、澄ちゃんは概ね同意してくれた。
だから私は澄ちゃんに甘々だし、由良くんにも頼ってしまう。
由良くんへの好きはそういう甘えから来ているだけ。
──だと、今日、今、このときまでそう思っていた。
「でもそれは、澄ちゃんへの好きと同じで」
「うん」
「あまり深く考えたことはない」
「そっか。じゃあもしかしたら、違う好きかもしれないね」
澄ちゃんの言葉に、そうかもしれない、と思ってしまったんだ。