ヨルガオ-午前0時の逃避行-
つい連れてきてしまったのかもしれない。
あるいは、私を乗せていることを忘れて帰ってきただけかもしれない。
気になる言い方をしたけど、この際、気づいたらに続く言葉がどんなものでもいい。
無意識化の行動を表すその言葉が、迷惑ではないことを証明しているのだから。
部屋は、朝出たときの状態のままだった。
カーテンが開かれ、淡い日差しが差し込む。
2つのコーヒーカップが水切りかごに置いてあり、さすがにもう乾いている。
まだ2回目の訪問なのに、不思議と心地良さを感じられた。
少なくとも、今朝に帰った自分の家よりも……。
「少し寝るけど、適当にしてていいから」
オリーブ色のマウンテンパーカーを脱ぎ捨てると、由良くんはベッドにダイブした。
なんだか疲れている様子。