ヨルガオ-午前0時の逃避行-
「お腹空いちゃったからキッチンを使わせてもらいました。うどんをね、作ったの」
「光莉が?」
「私、これでも料理研究部だから料理できるんだよ!」
えっへん。
……って言っても、煮物を作れって言われたらお断りするレベルだけど。
前にクラスの男子から『ラタトゥイユってなに?作って』とムチャブリされたときは、『買ってこい』って思った。
「家に何もなかっただろ」
「ね。びっくりするほどなかった。だから、スーパーに行って買ってきたの」
悪いかなと思いつつ冷蔵庫を開けたら、水と調味料しかなくて仰天。
しかも、調味料と言っても、お弁当についてくる小袋に入った唐辛子や醤油など。
溜まっちゃったのだろうと安易に想像できた。
引き出しを開けてカップ麺を見つけたけど、近くにスーパーがあるのを思い出して買いにいった。