クールなご主人様は溺愛中
私の紹介、そして業務連絡だった。


「じゃあ、お互い頑張りましょうね!」


にっこり笑った里咲さんに言われて、私も笑う。


「はい!」


里咲さん、いい人だったなあ。


「里奈さん、坊ちゃんを起こしに行っていただいてもよろしいでしょうか?」


「あ、はい!」


なんとなくの記憶を頼りに、あの男の子の部屋まで向かう。


「たぶん、ここ」


深呼吸をして、ドアを開ける。


できるだけ静かに、音をたてないように。


気をつけながらベッドまで行くと、眠っているあの男の子。


昨日も思ったけど、綺麗な顔立ち。


眠っている彼は、どこかあどけなさがあって、自分と同年代のような気がした。


「......朝、ですよ」


来ている服をキュッとつまんで、声をかけてみる。


「う......」
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