クールなご主人様は溺愛中
そして、唯一のTシャツは白。


透けるかな......?


ま、そんなに濡れないでしょ。


そう思って、白Tシャツを着て、ポニーテールに髪を結んで部屋を出た。


「お、行くか」


私を見た冬夜くんがふっと、微笑んで言った。


そんな冬夜くんの表情にドキッとしたりしちゃって。


「うん」


熱くなる頬を誤魔化しながら冬夜くんと一緒に家を出た。


ほんとに少しだけ歩いたら、海だった。


「綺麗......」


「......」


冬夜くんからの返事がない。


「......冬夜くん?」


「あー、俺、初めてここが綺麗だと思って」


「初めて?」


「ああ。普段、この景色見てもなんとも思わなかったから、なんか、びっくりした」


「そう......。よかった」
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